2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

小説「華厳経」について

小説「華厳経」1-1 - 楽しい日記 小説「華厳経」1-2 - 楽しい日記 小説「華厳経」1-3 - 楽しい日記 小説「華厳経」(仮題)1-4 - 楽しい日記 小説「華厳経」1-5 - 楽しい日記2013年6月1日から6月5日の日付のところに とりあえず書きためておいた分はアップロ…

小説「華厳経」1-5

午前11時にのろのろと起きた。「もう梅雨に入ったのか」と思いつつ、外が雨のせいで暗い部屋の中、パソコンの電源を入れた。今日は午後3時から出勤の予定を入れてある。わたしはホテヘルに籍を置いている人間にしては珍しいかもしれないが深夜の繁華街は苦手…

小説「華厳経」(仮題)1-4

後回しにした前職の話。わたしが文芸雑誌にエッセイを寄稿し、それからすぐに身内に同業者がいることを知られ「コネだ、消えろ」とインターネット上で罵られた。 その時わたしは、友達に心配をかけようなんて思わずに当然のことのように、こう言った。 「だ…

小説「華厳経」1-3

めいちゃんは、わたしが家具を配置する際に全体的に赤でまとめた遊郭の中をうろうろしている。 「りかちゃん、また家具の配置、てきとう。ずれてるよ」 畳の上に置いたタンスの横に立ってめいちゃんが言う。 「家具が壁にめりこんでる」 りかもめいちゃんの…

小説「華厳経」1-2

ひとり暮らしの部屋でノートパソコンからログインすることもあれば、マンガ喫茶とそう変わらない部屋からログインすることもあった。今日はマンガ喫茶とそう変わらないほうの部屋にいる。ついたてに囲われた個室でパソコンに向かいアバターを動かしている。 …

小説「華厳経」1-1

わたしは誰にも嫌われないリカちゃん人形のようなアバターを作りたかった。毒も個性も主張もいらない。 「消えろ」と望まれない。望まれたわたしの代わりのアバター。 アバターサイトの広告が目に入ったのが七夕だったのがまた、理想のアバターを作るのに持…