身代わり金魚

昨日、特撮のライヴに行きました。
20分しか観られなかったけど、いいライヴでした。
約2時間あったライヴを20分しか観られなかったのは、地震のせいです。


家を出て20メートル歩いたところで、アスファルトが揺れました。
視界に入っていた4軒の家が、揺れていました。
車庫がガラガラ。
壁がユラユラ。
木がユッサユッサ。


外にいて、「地震だ!」とはっきりわかったのは、初めてでした。
飼っている金魚が、心配になりました。
水槽が揺れ、水がこぼれ、そしてそして・・・・・・、なにか大変なことが起きていないかと。


でも、わたしは大槻ケンヂさんが大好きです。
特撮のライヴはいつでも最高です。
金魚も、そのことは知っているはずです。


わたしは走って、駅に向かいました。


渋谷までは電車で行けました。
渋谷から、ライヴ会場のある恵比寿に行くはずの電車が、どうにもこうにも動きませんでした。
空車のタクシーが、見つかりませんでした。
バスは満員で、乗車拒否されました。


歩きました。
一駅分の距離を。


すぐに着きました。
こんなことなら、何時間もタクシーを待つんじゃなかったと、思いました。


ライヴ会場に駆け込みました。
大好きな「身代わりマリー」が聴けて、幸せでした。
ぴょんぴょん跳ね、右手を振り、頭も振りました。


毎度ながら、「今、この瞬間、死んでもいい。むしろ死にたい」と思いました。


家に帰ったら、金魚は死んでいませんでした。
水槽の水も、一滴もこぼれていませんでした。


餌をやりました。