風邪で泣いたから休養日

昨日のこと。
37度の熱があったけど、毎日小説を書くと決めたからには書かねばと、3時間くらい書いた。
全身の凝りを取るために風呂に入った。
そしたら上がれなくなった。


命からがら……
風呂から上がって服を着て……でも髪が乾かせない。
ふだんは洗面台の前に立って、鏡を見ながら乾かすのに、洗面所の床にぺたんと座って乾かした。
半分乾かしたあたりで限界。


そうだ!
ヨガをやろう。
ヨガで、体力、免疫力、精神力、生きていく意志……その他もろもろ回復だ!!
と、リビングに敷きっぱなしのヨガマットに横たわった。


本来の順番では、前屈系だったり後屈系だったり、いろいろな動作をやって、その最後に「屍の体位」。
「屍の体位」とは、手足を伸ばして仰向けに寝、全身の力を抜く。


だけど、ヨガマットに横たわったまま、動けない。
しょっぱなから「屍の体位」。
というよりも、屍そのもの。


「た〜す〜け〜て〜」
叫んだ。


夫が来た。
「ユンケルスターと、葛根湯ビン2本入りと、ポカリスエットと、杏仁豆腐と、それからそれから……」
「わかった。買ってきてやる。風邪か?」
「風邪……と、その他もろもろ」
「そうか、もろもろか。とりあえず熱を計ってみるんだ」


体温計を渡された。
ヨガマットに横たわったまま、脇に体温計をさし、数字が上がっていくのを見つめる。
『あー、もう37度5分……いや、あれ?37度4分に下がった』
って、ところで、ピピピッ。


体温計を脇に置いた。
「ユンケルスターと葛根湯と、あとなんだっけ?」
夫がメモ帳に書きながら、ヨガマットに寝るわたしを見た。


「ポ〜カ〜リ〜」
なぜか涙がぼろぼろ流れて止まらない。
37度4分くらいでへこたれる人間じゃなかったのに。


むかし、へんな薬の副作用で40度以上熱が出たとき。
心臓のトクトクって音が、1個前のトクを越しそうな勢いでトクトクして、「これ、ふつう救急車呼ぶよなぁ。でも、この薬合法って聞いてたけど、ほんとに合法なのかな?わたし以外にも迷惑かかるかもなぁ……うん!大丈夫!!」って耐えたことがあった。
結局ほんとに合法だったし、翌々日には北海道旅行に旅立った。


それなのに、風邪で37度4分熱を出したくらいで、自ら人に助けを求めるなんて!!


『風邪とか熱よりも、「その他もろもろ」のほうが、精神的にきてるなぁ。もろもろっていうか、小説と、小説を書きながら、人間的性格で人と一緒に暮らせるかって大問題がーーーーー』


ということで、今日は小説を1文字も書かない日、と決めてみた。
洗濯をした。
洗濯機が止まって、干しに行けると思ったら体力的に厳しくて、どうしたもんかと思っているところへ、夫が手伝いに来てくれた。
本を読んだ。
資料でもなんでもない、好きな小説を読んだ。
ずっとしてなかった昼寝をした。
気付いたら、短い昼寝を3回してた。


小説を書かねばと思った。
でも今日は書かない。
ほんのちょっとだけ、書きたいとも思った。
でも今日は書かない。


休養日。