東京のばかやろうが

北海道に行ってきました。


飛行機に初めて乗りました。
羽田から函館までの飛行機の中、iPodでずっと長渕剛の曲を聴いていました。
『今日から俺 東京の人になる』
『死にたいくらいに憧れた 東京のばかやろうが』
などという歌詞が、盛りだくさんです。


北海道から東京に出てきたわけでも、これから北海道に移住するわけでもないのに、なんだか厳かな気持ちになりました。


北海道はというと……
そんなに、そこかしこで、ソフトクリーム売ることないじゃないかー!?
と、あきれるくらい、至るところでソフトクリームを売っていました。


東京では、なかなか、おじいさんがソフトクリームを食べているところとか、おばあさんが食べているところとか、おじさんおばさんでも、見かけません。
家では食べているのかもしれませんが、外では見たことがありません。


それが、北海道では、どんな年代の人もソフトクリームを食べています。
人がソフトクリームを食べているところを見るのが、たまらなく好きという人には、北海道は楽園なのかもしれません。


函館は一泊しただけで、あとは北海道の中でも誰も知らないような町に泊まりました。
彼氏の実家です。


初めて会った人たちを「お義父さん」「お義母さん」と呼び、彼の親戚に会うたびに、「お祖母さん」とか「叔母さん」が増えていき、数日でいきなり、わたしの知る人間、わたしを知る人間が、増えました。


耐えられないことです。
いや、うそです。
喜ばしいことです。


その数日前に、東京で、薬を飲んでラリラリになっていたなんて、誰が信じるでしょうか。


朗らかに、てきぱきと、感じよく、北海道で過してきて、東京に帰ってみると、部屋にはガラスの破片とか、雑誌を切り裂いた後とか、ひどい光景がありました。