今日も日が暮れる

古本屋で閉店セールをやっていました。
50円と書いてある少女マンガを一冊、レジに持って行きました。
「40円です」と言われました。


店内には、「表示価格より2割引き」と手書きで書かれた紙がたくさん貼ってありました。


まさか、もともと「特価50円」のものまで値引きしてくれるとは思いませんでした。


帰り道、歌いながら歩きました。


「少女マンガが40円 50円だったのが40円 嬉しいな 40円」


自作の歌です。


ほとんどスキップのような歩き方で、コンビニの前を通りかかりました。
コンビニの前には、コンビニの似合う人たちがいました。
渋谷の似合う人たちでもありました。
男女4人組でした。


誰もわたしのことを見なかったけれど、わたしはじっと見ました。
わたしより3つか4つくらい若い人たちでした。


わたしは人生どこで間違ったのだろう。
古本で喜ぶ人間に、どうしてなってしまったのだろうか。


考えても、わかりませんでした。


ただ、コンビニの前にいた子たちと同じ年の頃には、もうすでに古本の10円20円に、一喜一憂していたことだけは覚えています。


今日は、部屋で体育座りして、マンガを読んでいました。
コンビニの前にいた人たちは、今日もコンビニにいるのでしょうか。
それとも渋谷でしょうか。
仕事かもしれません。


日が、暮れてきました。