おじいさんから差別を受ける
道ばたで、よくおじいさんに怒られます。
ある夕方、無灯火で自転車に乗っていたら、反対側から来た自転車のおじいさんに、大声で怒鳴られました。
「電気、付けろよ〜!!」
そのおじいさん、電気は付けてましたが、公道のちょうど真ん中を走っていました。
またあるときは、私は自転車なのに、右側を走っていました。
段差のある、歩道の上でした。
車を運転していたおじいさんが、右折し、小さな路地に入ろうとしました。
目の前を右折しようとするおじさんを、わたしは歩道の上から眺めていました。
運転に慣れていないのか、なかなか曲がれません。
何度もやり直していました。
わたしは、それをきっと、冷めた目で見ていたことでしょう。
と、おじいさんがいきなりわたしに、「左側通行だろー!!」と怒鳴りました。
おじいさん、それって、八つ当たり……、じゃないですか?
そしてまた別のときは、駅から大型デパートまで運行している、無料送迎バスでのことです。
確か、無料バスが出ていたはずだけど、バス停が見つからない……、友人と2人、途方に暮れていました。
そんなとき、ちょうどバスが来ました。
バス停の前に止まりました。
そこにバス停があったことをそれを見て初めて知りました。
バス停で待っている人は誰もいなかったので、誰も乗らないと思ってバスが行ってしまったら困ります。
駆け寄りました。
バスに乗りました。
老夫婦が後から乗りました。
彼らは、バスの中で私たちに近付いてきました。
おじいさんのほうが、言いました。
「私たちのほうが先に待ってたんだぞ!!」
おばあさんは、「そうだそうだ」というように、頷きました。
バス停から、離れたところで、待っていたようです。
乗客は、その老夫婦と、わたしたち、合わせて4人しかいません。
4人しかいないのに、抜いた、抜かれたもないでしょう。
実は、まだまだあります。
わたしの人生で、はっきり声に出して怒られたことは、覚えているだけで10数回あります。
そのうちの7割までが、おじいさんからの罵倒でした。
他にはおばさん数人、おじさん数人がいました。
舌打ち、咳払い、丁寧な苦情等は抜かして、その数です。
だから、おじいさんは皆、むかつく!死ね!!と言っているわけではありません。ただ、どうもわたしの人生は、他人に怒られること、特におじいさんに怒られることが多いようなので、彼と闘う武器が欲しいと、常々思っていました。
わたしは、怒鳴られると、怒鳴り返せません。
怒鳴られた瞬間、思考が停止してしまい、相手が悪いのか、自分が悪いのか、判断できなくなります。
萎縮してしまい、「すみません」も口にできません。
後になって、自分が悪くなかったことに気付き、イライラムカムカする、というのがいつものパターンです。
そこで、哲学者、中島義道先生の『怒る技術』
http://www.php.co.jp/bookstore/prog/n_detail.php?select=4-569-62581-9を読みました。
中島先生は、『電車の中で注意したことだけでも、もう500回を超えた』そうです。
この本を読んで、わたしの人生の目標は、「他人を大声で怒ること」「怒られたら怒り返せるようになること」になりました。
はたして、身長148センチで、子どものように見えるせいか、他人よりも怒られることの多いわたしに、そんな大それた目標が達成できるか、否か。