皮膚科で文学

皮膚科に通っています。
初診のとき、先生に「お仕事は?」と聞かれました。
「していません」と答えました。
「は?」と聞き返されました。
「していません」ともう一度答えました。
「お仕事されていないんですか」と、やっとわかってくれました。


2度目に行ったとき、また先生に「お仕事は?」と聞かれました。
「していません」と答えました。
「は?」と聞き返されました。
「あの……、無職です」


先生はきっと、わたしの口から「無職」という単語を聞きたかったのでしょう。
あるいは、「恥の多い人生を送ってきました」と言えば、期待に添えたのかもしれません。
次は、言ってみようと思います。


「お仕事は?」と先生。
「わたしは恥の多い人生を送ってきました。たとえば、水疱瘡だと思っていたら、じんましんだったり……」とわたし。