『ちびくろサンボ』より遥かに狂ってる『ちびくろミンゴ』

ちびくろサンボ』よりすごいお話を見つけました。
その名も、『ちびくろミンゴ』です。
著者は『ちびくろサンボ』と同じです。


本のタイトルは、『ちびくろサンボ』ですが、『サンボ』と一緒に『ミンゴ』も収録されていました。


お話は、以下のような感じです。
正確ではないですが、だいたいの雰囲気を掴んでいただけたら嬉しいです。


ミンゴは、くろんぼの小さな女の子です。
ミンゴには、お父さんもお母さんもいません。
ノギーおばさんと一緒に暮らしていました。
ノギーおばさんはミンゴをこき使い、いつも小言を言いました。
今日もミンゴは、ノギーおばさんから用を言いつけられました。
「ミンゴ、川で水を汲んできなさい。瓶いっぱいに汲んでくるんだよ」
みんごは瓶を頭に乗せ、川の土手に来ました。
水を汲むため、瓶を川の水に浸しました。
川に、ワニがいることに気付きました。
ミンゴは驚いて飛び上がりました。
「お前を食べてやる」
と、ワニが言いました。
あわてたミンゴは、瓶を持たずに、逃げ帰りました。
ワニもミンゴを追いかけようとしたけれど、ちょうど瓶に顔を突っ込んでしまい、前が見えなくなりました。
ワニはくやしがりました。


ミンゴは家に戻り、ノギーおばさんに事情を話しました。
さっきよりも大きな瓶を渡されました。
「この瓶いっぱいに水を汲んでくるんだよ。いいね?」
と、ノギーおばさんは言いました。
「こんなに大きな瓶いっぱいに水を入れたら、重くて持てないよ」
ミンゴはそう言いました。
「2度行けばいいじゃないか。」
ノギーおばさんは、ピシャリと言いました。


ミンゴは瓶を頭に乗せて、もう一度土手にやってきました。
ミンゴがまたやってくるのを待ち構えていたワニは、そろりそろりとミンゴに近付きました。
そして、ミンゴが水を汲もうと、川面に近付いたところで、ワニはミンゴの服に噛み付きました。
「やめてー。助けてー」
ミンゴは暴れたけれど、ワニは構わず、ミンゴをくわえたまま、島へ泳いでいきました。
「島では、わたしのかわいい子どもたちが待っている。まだ卵からかえっていないけれど、明日にはかえるだろう。そしたら、わたしと子どもたちとで、お前を食べるんだよ」
ワニは、我慢できないというように、薄笑いを浮かべながらミンゴに言いました。
島に着くと、ミンゴはどさりと降ろされました。


ワニは、今日食べる獲物でも探しに行ったのか、ミンゴとたくさんの卵を残し、どこかへ泳いで行きました。
ミンゴは困り果てました。
そこへ、誰かが話しかけました。
「ちょっと手を貸してくれないか」
そう言うのは、マングースでした。
ちょうどプカプカと流されてきた瓶に引っかかり、島へ上がって来れない様子でした。
ミンゴはしゃがんで、瓶を引き寄せました。
「ありがとう、助かったよ」
そういうと同時に、マングースはワニの卵を食べ始めました。
すごい勢いで、たくさんの卵を食べていきます。


そこへワニが戻ってきました。
「なんということだ。わたしのかわいい子どもたちが」
そう言って嘆きました。
「抱いていれば、食われることもないだろう」
とワニは言って、抱きかかえながら、居眠りを始めました。
マングースは、またすごい勢いで、卵を食べました。


たくさんあった卵が、もう6個しかなくなってしまった頃、ワニは目を覚ましました。
「あぁ、わたしのかわいい子どもたちが、もうこれだけしかいない。そうだ!こうしておけば、もうマングースの野郎に食べられるまい」
と言ってワニは、6個の卵に、瓶を被せました。
そして、また島を出て行きました。


「ミンゴさんミンゴさん、瓶をどかしてくれないかな」
マングースがミンゴに言いました。
ミンゴは瓶をどかしてやりました。
マングースは、残りの卵を全部食べました。
「これで、ワニと子どもたちとで、あなたを食べてしまうこともありますまい」
マングースは、得意げに言いました。
「むだよ。子どもたちがいなくたって、あのワニはわたしを食べるに決まってる。」
そう言って、ミンゴは諦めの表情を浮かべました。
「この瓶をひっくり返し、ミンゴさんは中に乗るといいよ」
マングースが言いました。
ミンゴは、その通りにしました。


瓶に乗って、海の上を横断しました。
マングースはその横を泳ぎました。
陸に上がると、マングースと一緒に走って、家を目指しました。
ワニが追ってくるのがわかりました。
ちょうどワニの鼻先が近付いたとき、目の前でバタンとドアを閉めました。
家中のドアも窓も、鍵をかけました。


ワニは、家の裏で、ドアが開けられるのを、ずっと隠れて待ち構えていました。
ノギーおばさんが市場で石油とライターを買って、帰ってきました。
ノギーおばさんがドアを開け、家に入ったところで、ワニはノギーおばさんに襲いかかりました。
そして、ノギーおばさんを石油とライターごと飲み込んでしまいました。


ワニのおなかの中で、ノギーおばさんは、手探りにライターを探しました。
ノギーおばさんは、ワニのおなかの中に火を付けました。
ワニが飲み込むときに、歯で、石油の入った袋に穴を開けてしまったことは、ノギーおばさんもワニも知らないことでした。


ワニのおなかは爆発し、ワニもノギーおばさんも、ちぎれちぎれになりました。


意地悪なノギーおばさんがいなくなり、家にはミンゴとマングースのふたりきりになりました。
ミンゴは、ワニの頭を椅子として使いました。
マングースは、ノギーおばさんの使っていたハンカチをワニの鼻の上に乗せ、そこに座りました。
2人は、楽しく暮らしました。


<おしまい>


といった感じのお話です。
先日行った、皮膚科の待合室にありました。
泣いている赤ん坊、「お母ちゃん嫌いだ」と30回くらい叫んでる3歳児、など、待合室にいる子どもたち全員に、読み聞かせてあげたくなりました。