人間だけが幸せでありますように

子どもの頃、『いいな いいな 人間ていいな おいしいご飯に ぱたぱたお風呂 あったかい布団で 眠るんだろな』(歌詞間違ってるかも)という、『まんが日本昔ばなし』のエンディング曲を聴くたび、どよ〜んとした気分になりました。


当時は、自分がなぜどんよりするのかわかりませんでしたが、今日、そのわけがわかりました。


わたしの父は、「冬にあったかいふとんに入るときだけが幸せ」というのが、口癖でした。


父の口癖は、他にもありました。


「このまま目が覚めなければいいのに」


それから、もっと頻繁に言っていたのが……


「俺は不治の病だから、長くは生きられない」


あれから20年近く経ちますが、父は生きています。
不治の病にかかった形跡もありません。


今日、テレビをつけたら、『まんが日本昔ばなし』がやっていて、ふとそんなことを思い出しました。


人間に生まれた幸福を実感するため、お風呂上がりにでも、でんぐり返しをしてみようと思います。