大雨の日は押し売り求む

今日は大雨でした。
大雨なので、他人の家のドアに、足を挟む人間が極端に減っている気がします。


今日、わたしの家への訪問者は、3人でした。
ピザを届けにきてくれたピザ屋と、書留を届けてくれた郵便屋と、勧誘に来た新聞屋の3人です。
そのうち、ドアに足を挟んだのは1人だけでした。


新聞屋……、と言いたいところですが、ピザ屋でした。
あとの2人は、ドアに足を挟みませんでした。


郵便屋のときは、いちど部屋にハンコを取りに行ってから、ドアの前に戻ると、ドアは閉まっていました。
いなくなったのかと思ってドアを開けると、そこにはちゃんと、郵便屋が立っていました。
新聞屋のときは、「新聞はいりません」と言ったら、「そうですか」の一言で、あさっりと、足も挟まずに帰って行きました。


郵便屋も新聞屋も、服とか靴とか持ち物とかがびっしょり濡れていて、ドアに足を挟むほどの余裕はなさそうでした。


それに引き換え、足を挟む……、というか、足でドアを固定するピザ屋の、程よく汚れた白いスニーカーが、たくましく感じられ、印象的でした。


わたしは今日、なぜか、ドアに足を挟む人が好きで、足を挟まない人は嫌いだと感じます。


大雨だから今日1日靴を履かないと、あっさり決めてしまったことの後ろめたさからか……


それとも、雨で部屋に閉じ込められたときは、侵入者くらいしか、わくわくすることがないからかもしれません。