変わっちゃった、でも砂夫
諸事情により、今日から砂夫が片腕のスナネズミになった。
砂夫はまったく気にしていない。
器用に片手で餌をつかみ、食べている。
わたしばかりが、砂夫を見ては、「砂夫の腕なーい」「うえ〜ん、なーい」「ないないなーい」と言っている。
見ると泣いてしまう。
でもやっぱり砂夫は気にしていない。
不自由そうにさえ見えない。
これ変だ。
砂夫は痛がってもいないし、不自由そうにもしていない。
それなのにわたしが嘆くのは変だ。
壊死した後に干からびて残っていた腕の一部を、動物病院の先生がはさみで切った。
「左前肢整形代 800円」
領収書にはそう書かれていた。
その領収書をなんとなく取っておこうかと思ったけど、やめた。
わたしも、砂夫に腕がないことは気にしないことにした。