初カウンセリング

が……ががががが。
カウンセラーになりたがる人の中には、その人自身、傷付きやすい、繊細な……
ほら、あれだ。


メンヘル


だめだ!!
そんな直接的表現は自分にしか使っちゃだめだ。


なんと表現するかについては保留ということで、保留の意味での「アレな」人、という表現でご勘弁を。


何をこんなに慌てているかというと、日にちの感覚がないから何日前だったかは覚えてないけど、通ってる精神科と提携してるカウンセリング室に予約の電話をかけた。
電話に出た女性が消え入りそうな声で、やけにオドオドしてて、卑屈で、「あ〜、タクシー運転手に怒られたときのわたしとか、道ばたでおじいさんに怒られたときのわたしって、いつもこういう態度なんだろうなぁ。精神状態の悪いときのわたし、そっくりだ」って思った。
さらに、そういう人間に対し、不当にだったり、必要以上にだったり、強い態度に出る人間の気持ちがちょっとわかった。


もしこの人と長く話をしていたら、わたしはこの人を不当に傷付けてしまうんじゃないか、自分の闇を垣間見ることになるんじゃないか……


『この人には関わりたくなーい。でもどうせ受付の人だろうし、わたしは取材も兼ねて初めから1回きりしかカウンセリングを受ける気はないから、受付の人が卑屈でもまぁ、いいや』


って思った。


ところがさっき、同じ人から電話がかかってきた。
「日時を決めるのにたいへん時間がかかって申し訳ありません。わたくしが担当させて頂くことになりました」



『えーーーーー!?いやだいやだ、あなた、いやだ』
ただでさえ、ないに等しい生気吸い取られる。
しかもその日は夫が仕事でいない日だ。


60分5000円のカウンセリングが終わって、バス……いやいや、たぶんボロボロになってるから目の前を通ったタクシーに手を挙げる。
目の高さくらいまで、ちっちゃく挙げる。
タクシーに乗る。
タクシーに酔う。
酔いながら、何かしらわたしに否があると、タクシー運転手に怒られる。



「死にたい死にたい死にたい」
家に帰ってきてひとり呟く。


……



そこまでシュミレーションできてるのに、なぜキャンセルの電話をかけないのか?



メンヘル対「アレな」カウンセラーの、どんどんシュルシュルしぼんでいくような対話。
だって、これはちょっとおもしろそうじゃないか!


こんな状況めったにない。
もったいない。


いや、でもまだ間に合う。
明日キャンセルするか。


いやいやいやいや……


い〜や〜だ〜