なんとかサクラソウ

パソコンに向かうと、目の前にベランダがあって、わたしの買い集めた鉢植えたちが見えます。
3日にいっぺんくらいしか、「水をやらなきゃ」ということを思い出さないため、大半が茶色っぽい色をしています。
たぶん枯れているのだと思います。


その中で、ひとつだけ、きれいな桜色をして咲いている花があります。
その名も、「なんとかサクラソウ」・・・・・・
「なんとか」の部分は、なんと書いてあったのか思い出せません。
3日前に買いました。


今日、昼ごろ起きて、メールチェックのためにパソコンに向かうと、ベランダのサクラソウに目が行きました。


「うーーあーーーーー」


脳内で叫んで、あやうく声を出しても叫びそうになりました。


なんということでしょう。
わたしのサクラソウに・・・・・・
わたしのサクラソウに・・・・・・
蜂がちょっかいを出しているではありませんか。
わたしのサクラソウに!


勝手に触れるだけでなく、何やら足でかき回していました。
「花粉が・・・・・・」とか、「蜂は花を・・・・・・」とか、そんな自然の摂理なんて関係ありません。
とにかく、わたしのかわいい桜色のサクラソウに、わたし以外のものが触れていることが許せないと思いました。


これは、戦うしかありません。
ありませんけど・・・・・・
相手は蜂です。


わたしは、窓越しに、蜂がサクラソウを足でかき回すのを恨めしい目でいつまでも眺めていました。
蜂がいなくなったあと、「そうだ、水をやらなきゃ」と思い出し、水をやりました。
1日とか2日置きに蜂が止まれば、水やりのことも今までより思い出せ、枯れにくくなっていいのかもしれません。


だけど一瞬、別な考えが浮かびました。
「蜂に好きにさせるくらいなら、枯れてしまってかまわない」
そんなふうに思いました。


『誰かに盗られるくらいならあなたを殺していいですか』
という演歌な女だということに、なんとかサクラソウによって今日初めて知りました。