魚喃キリコが続々届く

Strawberry shortcakes (フィールコミックスGOLD)

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東京の男の子

東京の男の子

Amazonで、新刊だったり、極端に安く買えるものは中古でだったり、魚喃キリコさんのマンガをほぼ全コンプリートな勢いで注文したため、ここ数日、毎日、魚喃キリコさんのマンガが届く。
今まではAmazonといえば、天才が注文するばかりで、開けずに「はい、受け取ったよ。相変わらずAmazonさんは箱が大きいね。エコロジーじゃないね」「いいんだよ。この箱自体、再生紙なんだから」というやりとりをしてきたけど、ここ数日は、届いたら即、箱を開ける。
メール便で届いた中古商品も即、開ける。
カードとか領収書の名義とか、そういった細々とした事情で、注文者の名義を天才の名前にしているため、魚喃キリコかと思ったらグルジェフが出てきて驚いたりもする。
驚くと同時に、ものすごくがっかりする。


わたしは今さらながら魚喃キリコ中毒だ。


名前はずっと前から知っていて本屋でいつも見かけていたというのに、今までなんで読んでこなかったか。
答えは自分で知っている。


大判のマンガで、おもに女性が読むような、そういうマンガが嫌いだったからだ。
古本屋でペラペラ見て、「ふ〜ん、恋愛ね。セックスね」ってそんな扱いをしてきた。


でも違う、魚喃キリコさんだけは違うんだ。
なんか違うんだ。
圧倒的に違うんだ。


ナナナンナナナンナナナン……


「そういえばナナナさんがね……。違った、『ン』が抜けた。ナナナンさんがね、こういうこと描いてたんだよ」
天才に対し、口を開けば魚喃キリコさんの話ばかりしている。


そのくせ、さっき「わたし、天才と話してても、もう楽しいと思えないんだ。ドキドキしないんだ。天才もそうじゃない? いつからだろうね。初めからかね」そんなことを言った。
膝を抱えて丸まりながら「虚しいんだ」と呟いた。


膝の上におでこを付けたまま、「こうして世の主婦は昼ドラにはまっていくんだね」と、ついでに今期の昼ドラを毎日欠かさず観ている自分を正当化したりもした。