こんな世界も案外つまらなくない

くるり-男の子と女の子

小学生くらいの男の子と女の子
男の子同士の遊びは楽しそうだ
割って入ってくる女の子はふてくされ
こんな世界はつまらないと1人で遊ぶ


小学生くらいの男の子
世界のどこまでも飛んでゆけよ
ロックンローラーになれよ


今日、人生初のプラモデルを完成させました。
作ったのは、百式です。


ちょっと前には、ゲーム屋でファミレータを買って、初めてファミコンのマリオをやりました。


なぜか最近、小学生男子の遊び……、というより、わたしが小学生だった頃の男子の遊びが、マイブームです。
それを次々と初体験してます。


あ!でも、ファミコンは一度だけやったことがありました。
小学2年生のとき、O君の家でやりました。
その頃、O君は転入してきたばかりで、たまたま隣の席になったわたしの他に、友達がいませんでした。
わたしはもともと友達がいませんでした。


O君とわたしは、放課後、毎日のように2人で遊びました。


でも、O君の家にファミコンが普及したのをきっかけに、わたしたちは次第に一緒に遊ばなくなりました。


ある日、O君と2人でファミコンをやっていると、O君のお兄ちゃんが帰ってきました。
ゲーム画面を見るなり、「誰これ?すっげぇ、へたくそ」と笑いました。
そう言われたわたしは、泣きそうになりながら、「もう2度とファミコンなんかやるもんか」と心に誓いました。


O君はO君で、わたしの家に遊びに来ても、ジェニーちゃんを手にするのを頑なに拒否しました。


それでも、わたしたちは一緒に遊びました。
おやつを食べたり、話をしたり、公園で遊んだり……


……



1時間もすると、わたしたちは、やることがなくなって、途方に暮れました。


そうこうしているうちに、O君に同性の友達ができました。


「今日、遊ぼ」
「Sと遊ぶからだめ」
「わたしも入れてよ」
「男同士の遊びだから、女のお前はだめ」


そんな会話を何度か繰り返した後、わたしたちは完全に疎遠になりました。


そして、わたしたちは中学生になりました。
わたしたちは同じ中学でしたが、O君は1組でわたしは8組と、クラスが遠く離れました。


遠く離れたわたしのところにも、O君の噂は伝わって来ました。


噂によると、彼は霊感少年になったようでした。


「あいつ、体弱くて誰にも相手にされないから、霊が見えるとか言って、人の気、引いてんだぜ」
「そんな話ばっかするから、余計嫌われてるらしいな」


同じクラスの男子が、そんな話をしているのを聞きました。


そうでした。
彼は、心臓病でした。


小学2年の、転入してきたばかりのときも、「おれ、心臓病なんだ」と、自分から人に話しまくっていました。


そんなO君のことは、大人になった今も、ときどき思い出します。


遠い遠い世界に、飛んで行ってしまってはいないか?
ロックンローラーになれただろうか?
それとも、今頃、霊媒師として立派に活躍しているのか?


わたしの作ったプラモデルを彼に見せたくなりました。
今のO君ではなく、小学2年生の頃のO君に。