ひと晩寝かせたケーキ

今週のお題「朝ごはん」

ひと晩寝かせたカレーは美味しい。

それに負けず劣らずひと晩寝かせたケーキも美味しい。

カレーと違ってコクや旨みが増したりはしないが、寝ぼけ眼で冷蔵庫を開けた朝に「あ! あったんだった」この瞬間にひと晩寝かせたケーキは真価を発揮する。

実家にいた頃は家族でホールケーキを囲んだ朝に。

現在ひとり暮らしの私はスーパーマーケットで2個入りケーキを買って残りのもうひとつを冷蔵庫の中に見た朝に。

朝ごはんにケーキを食べられるのは幸せだなぁ、と思う。

奇しくも今日わたしは誕生日なわけだが、朝冷蔵庫を開けてもケーキはなかった。

それもそのはず、おととい実家で誕生日会を済ませてしまったのだ。

4人家族のうち、亡父を含めた3人もが6月生まれであり物心ついた頃から我が家での誕生日会は3人まとめて行われていた。ケーキやいつもより豪華な料理を食べられるのは、真ん中の日にちに生まれた姉の誕生日当日で子どもの頃はそれを羨ましく感じたりもした。

だが、誕生日が姉と1日違いの私は翌朝冷蔵庫を開けるとまるで私のためだけに用意されたかのようなケーキを見つける。家族全員での食べかけだろうと、前日の余韻を含むそのケーキは私に「おめでとう」と語りかけているように輝いて見えた。

 

姉と私で母の住む家に持って行ったケーキは今朝もまだ実家の冷蔵庫に残っているだろうか。

6月からかけ離れた月に生まれた母だけど朝起きて「あ! 娘2人が持ってきたケーキがあったんだった」と喜んでくれていたら嬉しい。